2020年1月12日から14日までコンケンへ行ってきました。コンケンではアジア子ども教育センターのニッタヤーさん・妹のカイナパーさん・パンヨーさんにお世話になり移動寺子屋教室の参加と奨学生宅へ訪問することが出来ました。
滞在中とても素敵な体験をさせて頂きました。また、現地に行ったから知ることが出来た情報も得てきました。せっかくですので、赤ひげ会ブログを通じてコンケン訪問について何回かに分けてご報告したいと思います。
まず1日めはコンケンから西へ200キロ離れたペチャブン県へ行きました。羽田空港を0時に飛び立つ深夜便で出発し、バンコクを経由しコンケン空港には8時に到着しました。
バンコクで乗り継ぎ朝8時に到着
空港でアジア子ども教育センタースタッフと合流し、ACECの車で奨学生が住むペチャブン県へ移動です。車中は1年ぶりの再会をお互い喜び近況報告に花が咲きました。
朝早かったこともあり、途中でガイヤーンやソムタムなどイサーン料理をご馳走になりました。イサーンと言えば、ガイヤーンにカオニャオ、ソムタムは外せない名物料理です。
ガイヤーンを焼いています。この光景大好きです
カイナパーさん・パンヨーさん・ニッタヤーさん
おいしく頂きました。ごちそうさまでした
腹ごしらえを済まし、いざペチャブン県へ。ペチャブン県は北タイに位置するため山越えをします。目的地まで約3時間の道のりでした。
まず最初の訪問地であるペチャブン県、ロムサック地区に着きました。ここでは、私が昨年から奨学金支援をさせて頂いている奨学生の方と面会しました。奨学生の名前はSirinthra Thapthongさん(ニックネーム:ドリーム)と言い、中学1年生の女の子です。お父さんお母さんと3人で住んでいます。学校は家から6キロほど離れた場所にあるため、毎朝7時にソンテウ(トラックの荷台を改造した乗り物)に乗って学校に通っています。セパタクローが大好きで、勉強やお手伝いの合間に練習に励んでいるそうです。
ドリームさんのお家です
ドリームさんとは、ニッタヤーさんを介して何度か手紙のやり取りをしていました。また、ACECのフェイスブックを通じて写真も見ていました。今回、念願かなって訪問することが実現しました。
Nongluck Thapthongさん(母)・Sirinthra Thapthongさん(ドリームさん)・Sombat Thapthongさん(父)
お父さんとお母さんは農業を営んでいて、現在タバコ栽培を行っているそうです。栽培したものを乾燥して1キロ110バーツ(約396円)で取引し、約5万バーツの収入を得ています。ですが、農地を借りたり設備投資などで借金をしているため、生活は苦しいとおっしゃっていました。また、お母さんは子宮がんを患っているため、お父さん一人で働いています。
家の裏手にある畑でタバコの葉を栽培しています
乾燥させたタバコの葉。タバコの匂いがしました
今回訪問した目的は、ドリームさんがどんな人なのか、家族はどんな様子なのか、どんな場所で生活をしているのか等実際に現地に足を運んで知りたいと思ったからです。そしてインタビューをする事でした。ニッタヤーさんの力も借りて、Google翻訳のお世話になりながらドリームさん一家とお話をしてきました。
Q:どうして奨学金支援を受けようと思ったのですか?
A:家が貧乏で、父母の手助けをしたいからです。父・母は仕事をしていますが、母は子宮がんを患い、主に父一人で働いています。父は2キロ離れた母屋で寝泊まりし仕事をしています。
Q:奨学金は何に使用していますか?
A:授業料の支払いです。学校は1年間2学期制で、1学期毎に1600Bの授業料が必要です。
※奨学金は2回に分けて支給されている。
Q:お家の手伝いはしていますか?
A:学校から帰ってきたら父の仕事を手伝っています。手伝いの合間にセパタクローの練習をしています。
Q:将来の夢は何ですか?
A:タイ代表のセパタクローの選手になりたいです。
学校の大会で受賞したたくさんのメダルを見せてくれました
セパタクローを披露してくれました
日本から持参したお守りをプレゼントしました
インタビューの最後に、お父さんとお母さんにも質問しました。
Q:将来どんな子に育ってほしいですか?
A:娘にはたくさん勉強して夢を叶えてほしいと願っています。
お母さんがお話をされている時、ドリームさんは涙を流していました。お母さんの、子を想うメッセージは私も胸に響きました。お父さんも優しい眼差しで見守っているのが印象的でした。私も2歳になる子を育てる父として、子の幸せを願う親の気持ちは十分わかります。だからこそ、奨学金支援を始めたのだと思っています。笑顔と優しさが溢れる素敵な家族と出会い、短時間でしたがお会いできて良かったです。
ドリームさんからタマリンドのお菓子を頂きました
ドリームさんは恥ずかしがり屋で口数は少なめな方でしたが、セパタクローを披露してくれた時の真剣な眼差しが印象的でした。お父さんは勤勉な方で、お母さんは子を思う優しい方でした。
経済的には確かに貧しく厳しい状況です。イサーンでよく見られる経済苦から都市部へ出稼ぎ→低賃金労働→貧困から抜け出せないという負のスパイラルに陥る前に、教育の機会を守り、子どもの可能性を潰さないことが奨学金支援の重要な役割である。その事をこの訪問で再認識し、奨学金支援を続けていく事をその場で約束しました。
ニッタヤーさん・河崎・ドリームさん・お母さん・お父さん・パンヨーさん
ACECでは、奨学金支援を重要な活動の一つと位置付け、定期的に活動を行っています。実際に奨学金を必要とする家庭を訪問し、生徒と話をして、生徒の学力や家庭環境を鑑みて支援するか否かを判断しているそうです。
奨学金の使い道も自由で、学費の支払いだけではなく、勉強するために必要な物品の購入など生徒が自由に使うことができます。また、返済は不要です。対象は中学1年生から大学・専門学校生までです。今回支援させて頂いているドリームさんには年間3000バーツ(約11,000円)の奨学金を送っています。年間1万円ちょっとですので、月に換算するとそこまで大きな負担ではない、と個人的に思っています。
そして、この奨学金があるから、学業を続けられる事も現地を訪問して実感しました。3000バーツの重みの違い、このお金で子どもたちの人生が左右される。大げさかもしれませんが、私はそう感じました。これからも、ドリームさん家族と交流を図りながら、応援を続けていきます。
次は移動寺子屋教室に参加した様子をお伝えします。
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